吊り込み/掬い抜い/底付けで使う道具の紹介です。
ここから一気に靴用の専用工具を揃える必要が出てきます。
アンティーク物や古い道具は加工済みでなおかつ安いのでオークション等を常々チェックしましょう。
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◯ワニ/ピンサー  マモル @4500

今はマモルのオリジナルを使っていますがビスポーク職人の主流はドイツの工具になってます。そのうち変えるつもりです。
ドイツのは下記サイトで買えます。
ちょっと高いですがこちらを最初から買った方がいいでしょう。

https://www.carreducker.com/product-category/shoe-making/tools/

◯釘 19mm 細釘 @100

最初マモルの吊り込み用釘を買いましたが太くて使ってません。いつもホムセンやハンズで買ってます。1足作るのに100本は消費していると思いますので買い貯めておきます。

◯アクアセメント
先芯/ヒールカウンターを固めるノリです。
木工ボンドとの違いがわからなかったので試しに使ったら不具合なかったのでそのままそれで代用してます。
今度ノーテープ4400にします。

◯掬い針 @630+柄@840=1470
日本製 英国製色々あります。
日本製は職人いなくなって供給が少なくなってます。最初日本製を使ってましたが何度か折れたので今は英国製。今のところ折れてません。必ず研ぎが必要でダイヤモンド砥石で研いでましたが今は布ヤスリで研げてます。
紙や革が切れるくらいにピカピカに研ぎます。

◯ダシ針 @630+柄@840=1470
こちらも掬い針と同じく。国産の針が最近は細さがマチマチで良く折れます。ちょっと高いですがドイツ製を買ってみました。

◯ファッジウィール 10号 @6394 +送料@2827
意外と入手難な印象。今は10号を使ってますがまた14に戻すつもりです。
細かい方がドレッシーですが同時に凄い時間がかかります。10で普通のドレスシューズ並みです。最初は10を一本あれば事足りるかと下記で買いました。オークションでもよく出てるのでチェックして下さい。私は下記で買いました。

https://www.carreducker.com/product-category/shoe-making/tools/

◯エッジアイロン  
プロでは無いのでズラッと揃える必要は無いです。自分のやりたい厚みを1~2種類あれば良いです。既製のアウトソールとウェルトをそのまま使うと大体11~12位になります。
まとめて出品されていますのでオークションをチェック。

◯イチョウゴテ
国産の新品が入手しやすいですが加工しないと使いにくいです。カーブがキツく点でしか当たらないので平に加工します。面倒です。加工済みの中古を探した方がいいです。

◯ウエストアイロン各種
新品があまり無く、オークションでも少ないです。角コバにするか丸コバにするか決めて入手して下さい。

◯シートウィール 
踵のギザ。簡易的なのを持ってますが滑りやすく使いにくいので英国製の出幅が調整できるウィールが良さそうです。プロも大体これです。

◯アルコールランプ 
コバ類を温める為の物です。プロは同時に数本温められる電熱器を使ってる人も多いですが夏は部屋も熱くなるので専用のランプにしました。

◯キヤスリ マモル@4300
ラスト編で出てきましたがコバ回りを整えるのに必ず必要です。手製のにしてから作業性や削れ具合が大分良くなりました。

◯布ヤスリ各種 80/120/180/240 @80

※ガラス
今のところガラスの必要性がわかりません。
ヤスリで事足りると思いますが。必ず使われているので何かしらあるのでしょう。1~2mmくらいのなんて事ないのを用意します。100均のフォトフレームを流用してます。


靴を作ってみよう「ボトム編(材料)」
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◯インソール中底 4~5mmのベリーかショルダーで マモル@880

ハンドソーンウェルトで溝を掘るのでなるだけ厚いものを選びます。

◯本底 イタリア製ベンズ 4~5mm マモル@1500

◯イタリー製ウェルト シングル @440

◯イタリー製 ヒール  @175×3=550

◯トップリフト サーパス浅野 8mm 半月 @440

◯掬い縫い糸 クラフト用のワックス付きマモル 太 @200

◯出し縫い糸 クラフト用のワックス付きマモル ウィール10の時太 @200 14の時細

チャンは作った事ありません。今のところこれで弱いとかキレたとかは無いです。チャンという呼び名も好きではありません。ワゲサも同様で使ってません。

◯コバやヒールの補色用インキ コロンブス @520
染料はかなり紆余曲折して今はこれに落ち着いてます。顔料と染料のバランスが各インクで違っていて熱コテを使う前提でバランスが良いのがこれでした。近いのでブートブラックのがありますが顔料よりでコテを当てるとハゲがちです。

◯シャンク @35
シャンクはビスポークメーカーに憧れ革でやったりしましたが鳴いたりしたので今は普通の鉄シャンクです。

◯コルク @100
ネリがうまく固まらず今はダイソーの板コルクを使ってます。板の方が均質で手軽です。
コルクの質とかはあるのか知らないですが粒の大きさははき心地に影響しそうです。といってもハンドソーンはせいぜい3~4mmなのでグッドイヤーほどでは無いと思います。

◯LULUトゥースチール 40/50 10足入り@2100
サイズ数ミリ大きいものを買って削って合わせます。削りが金属なので大変。
トウの形状によりサイズ選びが重要です。私は40か50で間に合ってます。


4回にわたって書きましたが靴作りに必要な最低限の道具や材料の紹介でした。
次回はまとめて合計金額を出したいと思います。



「型紙編」

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◯紙テープ(マスキングテープ)出来るだけ広い幅のもの @400

型紙を作るにはラストから平面に変換しないといけません。このやり方はメーカーによってます違い何種類かあります。
私はテープを貼るやり方でやっています。デザインテープという幅20cmくらいの専用テープがありますが使ったことはありません。
代用としてマスキングテープの50mmの広幅を使って。紙テープですが、専用の物とそう大差は無いと思います。伸度が無いのとデザインを描けるのが条件だと思います。
後の作業で保護テープとしても使うので住友3Mの黄色のテープを使ってます。

◯鉛筆B3/B4  @100
テープの上でデザインを描きやすく、書き直しが効くので柔らかい芯の鉛筆を使ってます。

◯厚紙 B4/A3 @-
マスターパターンを作った後は展開していきますので大きい厚紙も必要です。
私はマスターをスキャンして展開はパソコン上でイラストレーターでやっています。メリットは正確にトレース(コピペできる)、縫い代を正確に取れる、ステッチ幅0.5mmとかも正確にいれれます。親子穴を自動で入れれる、何度でも複製できる。パーフォレーションやイニシャルのデザインも正確にできますし、過去のデータを使えるのも早くて良いですね。そして最後はデータで保存できるので紙で保存しなくていいなどです。

「アッパー編(道具)」
◯カッター OLFA 黒刃 クリッキングに使います。 @425
◯別たち OLFA 漉きに使います。@350

最初は革包丁を使っていたのですがこれに落ち着きました。刃を研ぐ時間が勿体無いのと研ぎに修練が必要で靴を作ってるのか研ぎの練習してるのかわからなくてなりました。砥石も揃えましたが、、「包丁研ぎは靴作りの基本のき」と口すっぱく先人が言われているので多少の強迫観念にかられながらも独学なので飛ばします。
この二つで十分作れてます。

◯銀ペン  @150
型紙を移すのに使います。

◯カッターマットA4 @550
広いところで荒裁ちしておいてパーツをこれの上でカットします。

◯ゴムマット @600

◯穴開けポンチ各サイズ  @100-500
私が良く使うのは4つほど 0.8mm/1.2mm/3mm/4mm 親子穴用
3mm 靴紐穴
0.8mm 飾り穴
とりあえずこれだけあれば事足ります。最初は100均にもあるのでそれでも良いのでは。

◯ピンキングバサミ2mm幅 @1050
ビスポーク並にしたいなら2mmがおススメ!以前は無くて四苦八苦していましたが最近ネットで探したら中国製で発見。ちょっとギザの角度が鋭角ですがこの細かさなら及第点です。プロは特殊ミシンでやるので細かいですが、この2mmが見つかってネックになっていたギザの大きさが解決しました。普通サイズなら3mm、5mmは可愛い感じになります。

◯ガラス板 @100
漉きをする時に必ず必要になります。
レザークラフト関係にありますが私は100均のフォトフレームのガラス部分を使ってます。B5くらいの大きさで3~4mmあるので充分です。


◯アンティークミシン HA-1/HA-2 等
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オークションで@5000~6000
手製靴においてもっとも大物なのがミシン。
私はアンティークの平台ミシンをカスタムして使ってます。専用ではないので多少使いにくいですがなんとかなってます。
※改造1 上糸アンティークミシン用プリテンション(わくわくミシン工房) @1800
※改造2  上糸調整用渦巻きバネ厚物用(中島ミシン工業所) @200
※改造3 ローラー押さえレザー用(わくわきミシン工房)@3600 
※調整 上糸を強くする
※調整 下糸は多少強め

◯ミシン針
11号 @560円
PFX134KS 皮革用ステッチ用ミシン針 80 540円  穴の開き方が真っ直ぐ
PFX134PCL 縫い割用 100 縫い割用 穴が真横で裂けにくい。

大体20~30番の糸に合います。

「アッパー編(材料)」
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◯表革 インポートなので価格は変動します。(下記は5年前の為替での値段。今はこれより上がっていると思われますが大体の目安として)
※1足で30デシ使うと言われています。
一番コストがかかりますがここはケチらない方が良いです。1枚買えば中々無くなりません。
日本の問屋さんで買ってます。メーカー売りがメインですがお願いすれば売ってもらえると思います。
他には下記などで個人輸入もできます。
デシ単価よりも大きさで価格変動する印象です。

☆アノネイ各色@153 250デシ\38250
☆ワインハイム黒展開のみ @160 180デシ\28800
☆チャールズFステッド各色@80 100デシ\8000
☆裏革 @40 160デシ \6400

◯芯革
ヌメの3~4mmのトコ革を漉いて使ってます。

◯糸 ビニモ、キング、エースクラウンなどから ビニモ(大戸糸店)30番@745
縫い目が細かい20番、30番 がドレスシューズに適しているでしょう。スパンと書いてあるものは繊維が短いのでレザークラフトには適しません。最初はオークションにも何色かまとめた出品あるのでチェックして下さい。2000m巻で無くなりません。

◯伸び止め(アイデアル)テープ 3mm@220 12mm@1000
2種類くらいあれば良いのでは無いでしょうか。

◯接着剤  ノーテープ9360  @580
仮止めで使うゴム系接着剤、底付け用と共通で使ってます。

◯ドリルワッペン マモル@580/m
革が弱い時に貼るダブラー。裏シール付き
まだ使ったことないですが次にスエードやベルベットをやる時に使います。

その他靴によってハトメや石目ゴムやらバックルがありますが適宜揃えます。

次はボトム編です。

いきなり最難関のラスト編です。
「必要な物」
◯ラスト(木型)\\1300~13000
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せっかく作るのだからと木から削るラフターンから行くのはやめましょう。プロが設計したラストをベースに自分の足に合わせて修正して行きます。大体ベースが残らなくなるくらい修正する事になります。

主にプララストと木製があります。中古のプララストは浅草のマモルさんに行くと1000円台であります。それ以外だとラスト屋さんのトミヅカが出しているもの10000円くらいから。後はヤフオク辺りでもたまに出てるのでチェックしておきます。

木製は入手が難しいですが革で修正するのに接着しやすいだとか色々な加工道具があるので削りやすいと思います。材自体もプラよりは削りやすいでしょう。ヤスリもかけやすいですし、釘との相性がいいのは言わずもがな。何よりカッコいいです。海外のビスポークメーカーは高級な物にプラを使うのはあり得ないとかどこかのブログで書かれてました。

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「修正材」万能パテ\\100×4~5個/余り革~

革かパテで盛るのが一般的です。
最初は液体パテの業務用使いましたが臭いが凄いのと屋外でないとむりで、扱いも気を使うのですぐやめました。
その後はヌメの床革でやっていました。ですがプララストがツルツルしてるのでガッチリ付いている感じはしないです。その時の接着剤はノーテープ。その後床革が安く売っているところが無くなったのでやめました。今落ち着いている方法はダイソーの万能パテです。
粘土状になっていてくっつけて形を整えれるので乾いてからのヤスリがけが少なくて済みます。小分けなので必要な分だけ使います。匂いも無いので今のところこれです。

「ヤスリ」
◯キヤスリ 大谷製\\4000
靴作りで主に使いますがラストにも使ってます。深澤ヤスリを買いに行ったのですが今はもう作られていないとのこと残念です。
ちょっと高いですが手彫りの良く削れるこの荒さは後の靴作りでも必ず必要です。

◯木工ヤスリ \\100×2 ダイソーでとりあえずで買ったのを2種類くらい、そのまま使い続けてます。

◯シントーのこやすり \\1200 海外のビスポークメーカーでも見かける日本のヤスリ。ノコギリの刃を利用したヤスリです。無くても良いかも。

◯紙ヤスリ各種\\60~  80/120/180/240/300
最初はそこそこのヤスリがけで作ってましたがラストを抜きやすくするためにもツルツルに仕上げた方が良さそうです。

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◯メジャー (マスト)\\200 靴用の細い幅5mm×50cmくらいのがマモルで売ってます

◯スクライバー \\3000
毎回正確にやるのに必要です。ラストの計測の時に垂直を取るのにも使ってます。
とりあえずは無くても良いですが手書きが信用できなくなって買うことになるでしょう。

後はA4の紙を何枚かと足型を取る絵の具か墨ですかね。

次は靴を作ってみよう パターン/アッパー(道具)に進みます。

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